2014年2月2日日曜日

NHK大河ドラマ 第5回「死闘の果て」 あらすじ


5回「死闘の果て」

永禄11年(15687月。信長は足利義昭を招き、大義名分を得て、9月上洛する。 戦が続いた京の街並みは荒れ果て、乱暴狼藉も日常茶飯事だったが、信長はわずかひと月で町の風紀を正してしまった。 今や都で信長を悪く言う者はなく、敵は恐れをなして逃げていったという。

「さすがは織田信長・・・天下布武か・・・」 家督を継いだ官兵衛もまた、忙しい日々を送っていた。領民に慕われ、光との仲も仲睦まじかった。 そんなある日、炭や油をもって使わせてほしいと言う光の侍女お福と、節約すべきだという小兵衛がちょっとしたいさかいと起こした。

その話を聞いた官兵衛は光に説明した。 「金はいざというときに使う。それまで大切に蓄えておく」 銭勘定が得意だった祖父重隆由来の家風であり、官兵衛は贅沢を好まず、質素な着物しか着ない。 「吝嗇ではない、倹約だ」 そんな夫のきまじめさに、光は思わず笑った。 「元気に育っておるか?」

官兵衛は笑いながら、妻のふくらんだおなかに手を当てる。幸せな若夫婦の姿であった。 ・・・ 同年10月、義昭は15代将軍に就任した。 信長が褒美として願ったのは、官職でも官位でもなく、堺、大津、草津という莫大な収益をもたらす商業都市を自分の直轄地にすることだった。

義昭はそうと気づかないまま、信長の手中で踊らされていた。 近江では、竹中半兵衛が隠居生活を送っていた。 「木下殿・・・またいらしたのですか・・・」 稀代の軍師を味方に引き入れようと、藤吉郎は何度断ってもめげずに通ってくる。しかし半兵衛は、非情な信長のやり方が肌に合わない。

主君だった美濃の斎藤家も親兄弟で争い、そのあげく滅んでいった。 「・・・もううんざりじゃ・・・」 「すべては天下をとるためでござる!この乱世を終わらせるのです」 地に頭をすりつけて土下座する藤吉郎に、半兵衛はとうとう動かされた。 「信長様に仕えるという建前はとりましょう。

されど、私は木下藤吉郎様のもとで働きとう存じます。この乱世を終わらせるために」 ・・・ 同じころ、姫路城で元気な産声があがった。 「光、でかしたぞ!」 赤ん坊の幼名は松壽丸。のちの長政である。 隠居したあと、後添いのぬいとほかの子供たちを連れて姫路城近くの屋敷に移り住んでいた職隆も、初孫のかわいらしさに相好を崩した。 しかし、穏やかなときは長くは続かない。 永禄12年(15695月。宿敵である龍野城の赤松政秀が、播磨最大の兵力を誇る別所安治と手を組み、兵を挙げたのだ。 ところが、別所軍は赤松軍との合流に失敗。迎え撃ちことになった官兵衛は、赤松軍に奇襲をかけ、わずか数百の兵で三千の兵を撃退した。 この勝利で政職はすっかり赤松を侮っている。しかし官兵衛は、赤松が負け戦の恥辱をすすがんと必ずもう一度攻めてくると考えていた。次に赤松が狙うのは、この姫路に違いない。 今こそ金の使いどきだと考えた官兵衛は、家臣たちに惜しげもなく褒美を与え
(つづく)